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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻12号

1990年12月発行

文献概要

症例

電解質異常を来した直腸villous tumorの1例―electrolyte depletion syndromeの本邦報告例の検討

著者: 岩谷周一1 児島高寛1 竹之下誠一1 木村浩1 橋爪立雄1 笹本肇1 長町幸雄1

所属機関: 1群馬大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1455 - P.1460

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要旨 患者は74歳の女性で,意識障害および多量の粘液便を主訴として近医に入院し,直腸指診で巨大な直腸腫瘍を認めたため当科へ紹介された.入院時高度な脱水および高窒素血症があり,特に血清Na+,Cl-は著明に低下していた.ガストログラフィンによる注腸造影では肛門縁直上よりRaに至る毛羽立ち様変化を認める腫瘤性病変があり,大腸ファイバーでは表面が白色調,微細顆粒状を呈した隆起性病変を認めた.術前電解質および脱水の補正後,腹会陰式直腸切断術を施行した.術後経過は良好で,意識障害は軽快し,粘液排泄も消失した.組織学的には,高分化型腺癌と粘液癌の合併した絨毛腺腫であった.本邦における報告は極めてまれで,本例を含め20例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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