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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻12号

1990年12月発行

文献概要

症例

術前診断できた十二指腸のgangliocytic paragangliomaの1例

著者: 菅井有1 加藤良平2 藤巻英二3 高山和夫1 笹生俊一1 狩野敦4 関根耕作3 斉藤裕3 折居正之3 佐藤邦夫3 佐藤俊一3 寺島雅典5

所属機関: 1岩手医科大学臨床病理部門 2岩手医科大学第1病理 3岩手医科大学第1内科 4岩手医科大学高次救急センター 5岩手医科大学第1外科

ページ範囲:P.1461 - P.1468

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要旨 患者は42歳の女性で,心窩部痛と下血を主訴に受診し,上部消化管造影および内視鏡検査では,十二指腸下行脚に山田Ⅲ型の正常粘膜に覆われたやや結節状の隆起性病変を認めた.通常の直視下生検では腫瘍性病変は検出されずエタノール局注後の生検により,gangliocytic paraganglioma(GP)が考えられたため,十二指腸腫瘤核出術を施行した.腫瘍は主として粘膜下層から筋層内に位置する比較的境界明瞭な結節性病変で,組織学的にGPと診断された.GPが術前診断されることは少なく,自験例のようにエタノール局注を行い積極的に診断しえた例の報告はない.GPの組織発生はいろいろの仮説があるが不明の点が多い.われわれは免疫組織化学的に腫瘍細胞内にホルモン様物質を証明し,電顕的に神経分泌顆粒を認めたことよりGPをparaneuron系の腫瘍と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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