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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻12号

1990年12月発行

文献概要

研究

胃癌の粘膜下組織への初期浸潤様式

著者: 篠原直宏1 望月真1

所属機関: 1自治医科大学病理

ページ範囲:P.1469 - P.1475

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要旨 ヒト胃癌における粘膜下組織浸潤部が2mm以下の初期粘膜下組織浸潤巣69病巣について,癌細胞の粘膜筋板通過様式を病理組織学的に検討した.初期粘膜下組織浸潤様式は4種類あり,①脈管周囲型(癌細胞が粘膜筋板を貫く脈管周囲の組織間隙を経て粘膜下組織へ達するもの)が最も多く,全体の約70%を占める.次いで,②脈管侵襲型(脈管侵襲によるもの),③破壊型(粘膜筋板の破壊・断裂によるもの),④異所性腺管型(異所性腺管の周囲組織を通って粘膜下組織へ達するもの,未分化型癌のみ)がある.3~10mmの粘膜下組織浸潤でも,原則的には2mm以下の粘膜下組織浸潤様式が適用でき,ほかに浸潤様式不明のものがある.頻度は脈管周囲型浸潤が最も多いが,破壊型が増加する傾向がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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