icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻2号

1990年02月発行

今月の主題 膵囊胞性疾患―動態診断の基礎と臨床

主題

MRIによる膵囊胞性疾患の動態診断

著者: 堀口祐爾1 亀井明1 今井英夫1 世古口凡1 伊藤圓1

所属機関: 1藤田学園保健衛生大学消化器内科

ページ範囲:P.167 - P.174

文献概要

要旨 1.5テスラ超伝導型装置を用いた磁気共鳴画像(MRI)の膵囊胞性疾患における質的診断能について検討した.膵仮性囊胞では線維性被膜やdebrisの診断が容易で,囊胞内容液の出血性変化も的確に診断できた.貯溜囊胞では存在診断はできても膵管拡張や膵実質性変化の診断にやや難があり質的診断は困難であった.漿液性囊胞腺腫では辺縁の分葉像,均一なintensityを示す小囊胞の集簇などが特徴的で,診断は容易のように思われた.粘液性囊胞腺腫の特徴である被膜,隔壁,腫瘍突出像などもMRIでよく描出され,更に各囊胞腔のintensityに差があることから内容液の性状診断も可能であった.一方,粘液産生性膵管内腺腫においては膵管拡張や分枝の囊胞状拡張は診断できても粘液像を診断することは不可能であった.MRIに期待されるものは囊胞内容液の性状診断であろうが,いまのところは出血以外は困難のようである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら