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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻2号

1990年02月発行

今月の主題 膵囊胞性疾患―動態診断の基礎と臨床

主題

穿刺による膵囊胞性疾患の動態診断

著者: 山中桓夫1 上野規男2 木村健2

所属機関: 1自治医科大学大宮医療センター消化器内科 2自治医科大学消化器内科

ページ範囲:P.189 - P.196

文献概要

要旨 膵囊胞性病変の存在診断は容易である.現在は質的診断が問題である.膵囊胞性病変の質的診断における膵囊胞穿刺術(囊胞液分析,細胞診,囊胞造影)の有用性を検討した.囊胞液中アミラーゼ活性値は,仮性囊胞で10万Somogyi単位を越える例が多く,真性囊胞との鑑別の指標として有用である.囊胞液中CEA濃度は,仮性囊胞と比較して真性囊胞で高値を示し,両者の識別に有用である.しかし,真性囊胞である貯溜囊胞・囊胞腺腫・囊胞腺癌の囊胞液分析による識別は困難であった.細胞診は,良性・悪性囊胞の鑑別に極めて有用であった.囊胞造影は,囊胞の形態・局在,膵管との交通の有無の確認に有用である.膵囊胞穿刺術は,囊胞の質的診断に際して用いられるべき有用な方法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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