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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻2号

1990年02月発行

文献概要

今月の主題 膵囊胞性疾患―動態診断の基礎と臨床 主題

膵囊胞性疾患の内科的対応

著者: 春日井政博1 税所宏光1 山口武人1 田中武継1 大藤正雄1

所属機関: 1千葉大学医学部第1内科

ページ範囲:P.197 - P.203

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要旨 膵囊胞の原疾患は多様である.治療を行う臨床的な立場からみれば,腫瘍に起因する囊胞か否かに分けて考えることが好都合である.診断においては囊胞性腫瘍の画像上の特徴を理解すると共に貯溜囊胞を随伴する膵癌や液化壊死を伴った腫瘍の診断に注意する必要がある.急性期膵仮性囊胞については,保存的療法や経皮的穿刺術を応用した内科的治療が良好な成績を得ている.現在までの成績から検討すると,径5cm未満のものでは保存的治療を4週間施行した後,改善傾向が乏しければ経皮的穿刺吸引法の適応となる.径5cm以上のものでは合併症発生の危険が高いので,積極的に経皮的穿刺吸引またはドレナージにて減圧術を実施することが必要であると言えた.これらの内科的方法で急性期膵仮性囊胞の約3/4を治療しえた.最近の画像診断の進歩に基づく,膵囊胞の診断と内科的治療,特に映像下穿刺による囊胞減圧術の有用性について述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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