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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻2号

1990年02月発行

文献概要

今月の主題 膵囊胞性疾患―動態診断の基礎と臨床 主題症例

慢性アルコール性膵炎の再燃増悪時に合併した膵仮性囊胞が巨大粘膜下血腫を形成した1例

著者: 廣辻紀子1 竹田喜信1 築山順一1 大柴三郎1

所属機関: 1大阪医科大学第2内科

ページ範囲:P.211 - P.215

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要旨 患者は53歳の男性で大酒家.上腹部痛を主訴として来院した.10年以上,1日日本酒5合とビール2本を飲酒していた.腹部超音波検査で膵囊胞を認め,腹部CTでも膵周囲に多発する囊胞がみられた.保存的に治療していたが,新たに囊胞が出現し,同時に腹部単純写真上で,左横隔膜下にfree air様のガス像があり,消化管出血も認めたため開腹した.その結果,囊胞が胃壁内に穿通して巨大な胃粘膜下血腫を形成しており,囊胞を含めた膵体尾部切除と胃部分切除および脾摘を行った.膵囊胞が胃壁内に穿通し,巨大血腫を形成することは今までに報告がなく,左横隔膜下の特異なガス像がそのことを示唆した症例であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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