icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻2号

1990年02月発行

文献概要

今月の主題 膵囊胞性疾患―動態診断の基礎と臨床 主題症例

囊胞形成を伴う微小な膵管内乳頭腺癌の1例

著者: 錦野光浩1 甲田安二郎1 金丸仁1 寺門道之1 閨谷洋1 橋本治光1 瀬野尾一孝2 保田芳伸2 新井冨生3 中村真一4 喜納勇5

所属機関: 1藤枝市立志太総合病院外科 2藤枝市立志太総合病院消化器科 3藤枝市立志太総合病院臨床病理室 4浜松医科大学附属病院病理部 5浜松医科大学第1病理

ページ範囲:P.216 - P.220

文献購入ページに移動
要旨 慢性膵炎として2年9か月経過観察した囊胞形成を伴った微小な膵管内乳頭腺癌(intraductal papillary adenocarcinoma of the pancreas)を経験し,報告した.患者は53歳の男性で,主訴は左季肋部痛である.人間ドックで血清アミラーゼ高値を指摘され,当院を受診した.超音波検査(US)で胆囊ポリープが検出され,内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)では膵管に異常を認めなかった.経過観察し,3回目のERCPおよび内視鏡的膵液細胞収集法(EPCC)で小膵癌と診断した.手術の結果,膵頭部主膵管に限局した10mmの膵管内乳頭腺癌があり,近接して,囊胞性病変が認められた.本症例は主膵管の拡張を伴わない非浸潤性主膵管内癌であり,膵癌の発生進展形式を検討するうえで貴重な症例と考え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら