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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻3号

1990年03月発行

今月の主題 胃癌の切除範囲をどう決めるのか

主題

胃癌の切除範囲決定に関する問題点―切除する立場から

著者: 源利成1 磨伊正義1

所属機関: 1金沢大学がん研究所外科

ページ範囲:P.303 - P.311

文献概要

要旨 胃癌の切除範囲決定に際し,外科的立場から切除断端癌陽性および不必要な胃全摘の問題を取り上げた.対象は過去14年間に切除された胃癌955例のうち切除断端(OW)が問題となった38例(早期癌6例,進行癌32癌)である.OW(+)の30例はすべて進行癌であり,そのうち28例までがOW以外の理由で絶対的非治癒となったものである.追加切除を余儀なくされた症例は8例であり,早期癌(6例)の場合は表層拡大型のⅡb,Ⅱcであり,切除線決定には労を惜しまず各種画像診断(ゾンデ法,色素内視鏡,段階的生検)を駆使し,かつ術中断端迅速標本に供すべきである.進行癌では浸潤性発育を示す硬癌が多く,超音波内視鏡も有用である.次に胃全摘を施行した早期癌35例について検討したところ,12例までが大きさ5cm以内で,リンパ節転移もなく,切除範囲を縮小しても十分根治性が期待された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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