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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻3号

1990年03月発行

今月の主題 胃癌の切除範囲をどう決めるのか

主題

胃癌の切除範囲をどう決めるのか―切除する立場から

著者: 貝原信明1 西土井英昭1

所属機関: 1鳥取大学医学部第1外科

ページ範囲:P.313 - P.318

文献概要

要旨 限局型発育を示す胃癌では肉眼的癌浸潤部より3cm以上,浸潤型発育を示すものでは5cm以上離して胃切離線を設定するという従来の考え方を変える必要はないが,これはあくまでも進行癌を対象としたものであり,早期癌ではこの限りではない.早期癌に対していたずらに広範胃切除に固執することは得策ではない.このような意味から,上部胃癌に対する噴門側胃切除は,むしろ積極的になされるべきであると思われる.噴切後は高ガストリン血症の状態になるが,この意義についてはいまだ解明されていない.噴切後は十二指腸,上部空腸,膵組織におけるDNA合成の亢進が示されており,ガストリンはこれら臓器に対して何らかのtrophic actionを示しているのではないかと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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