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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻3号

1990年03月発行

症例

直腸原発と思われる奇形腫の1例

著者: 木須達郎1 徳永蔵2 山岡宏太郎1 内田康文1 森久男1 福島千寿1 原田貞美3 副島慎一郎3 山本裕士3 久次武晴3 吉田道夫4

所属機関: 1佐賀医科大学消化器内科 2佐賀医科大学病理 3佐賀医科大学消化器外科 4佐賀医科大学放射線科

ページ範囲:P.361 - P.365

文献概要

要旨 患者は76歳,女性.主訴は下血.大腸内視鏡検査で直腸に表面に数本の毛髪を有する腫瘤があり,生検の結果,重層扁平上皮に覆われていた.腹部単純写真,注腸造影,CTで腫瘤内石灰化が認められ,直腸奇形腫と診断し,腫瘤摘出術を施行した.腫瘤は33×24×22mm大で,左卵管の背側で卵巣と15mmの索状物で連続していた.病理組織検査で腫瘤の表面は扁平上皮で覆われ,内部には結合組織,腺組織,神経組織,骨組織などが含まれていた.卵巣には異常はなく,病理組織学的検討の結果,直腸原発の成熟型奇形腫と考えた.直腸原発奇形腫は自験例を含めると本邦で11例,世界で40例報告されている.この中には経肛門的に摘出したものもあり,卵巣との連続性を明確にしていないものがある.卵巣奇形腫の直腸穿破例も報告があるため,原発性と診断するには開腹下に卵巣奇形腫の有無や位置関係を明確にする必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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