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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻4号

1990年04月発行

今月の主題 Barrett食道

主題

Barrett食道の歴史的展開

著者: 遠藤光夫1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部第1外科

ページ範囲:P.391 - P.397

文献概要

要旨 下部食道の粘膜上皮が円柱上皮で置き換わったものをBarrett食道またはendobrachyesophagusと呼んでいる.その成因は,最近では慢性の胃食道逆流に起因する後天性のものとする見方が強い.その診断基準として,円柱上皮部が本来の食道胃境界部より3cm以上(LESの口側まで),全周性にみられるものとしている.しかし,正常の食道胃接合部ではほとんどみられない腸上皮化生の円柱上皮を生検でみれば,3cm以内でもよいという考えもある.逆流性食道炎例のBarrett食道の頻度は9%とされる.そして,逆流防止効果を得ても,Barrett食道の退縮はないとする報告が多い.Barrett食道に腺癌の併存する頻度は,2~47%とまちまちであるが,追跡調査例では2.4%に腺癌の発生をみている.組織学的にはspecialized type(腸上皮化生様上皮)が大切で,特にdysplasiaは前癌病変となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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