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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻4号

1990年04月発行

今月の主題 Barrett食道

主題

Barrett食道の病理組織学的検討―特にspecialized columnar epitheliumについて

著者: 中村真一1 喜納勇2 新井冨生3

所属機関: 1浜松医科大学附属病院病理部 2浜松医科大学病理学第1講座 3藤枝市立志太総合病院臨床病理室

ページ範囲:P.425 - P.432

文献概要

要旨 Barrett食道の円柱上皮(Barrett上皮)の特徴を文献的に考察すると共に,自験例におけるBarrett上皮の病理組織像を提示した.またBarrett上皮の特徴と考えられているspecialized columnar epithelium(SCE)を,胃の腸上皮化生と比較検討した.その結果SCEは形態像,粘液の性状,また免疫組織学的検索などからも,胃の腸上皮化生と酷似していた.Barrett食道に出現するSCEは,胃や腸の正常上皮には見られないという点で,特殊な上皮と考えられているが,SCEは本質的には腸上皮化生と同じであり,腸上皮化生粘膜は胃ではごく普通に見出されるもので,決して特殊な上皮ではない.それゆえにBarrett上皮に混乱や誤解を起こす可能性のあるSCEなる用語を用いないよう強調した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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