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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻4号

1990年04月発行

今月の主題 Barrett食道

主題症例

広範なBarrett食道に多発したBarrett潰瘍の1例

著者: 富永雅也1 渕上忠彦1 岩下明徳2 村田繁利3 蔵原一郎4

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2松山赤十字病院病理 3松山赤十字病院放射線科 4蔵原放射線科

ページ範囲:P.438 - P.446

文献概要

要旨 15cmにわたる広範なBarrett食道に多発(4個)したBarrett潰瘍の1例を経験した.患者は78歳,女性.軽度の嚥下時違和感を主訴として来院.X線検査で下部食道に4個の潰瘍を認めた.最肛側の長径3.8cmの潰瘍周囲には胃小区模様に類似する表面細顆粒状の粘膜を認めた.内視鏡検査では潰瘍は上切歯列より30~35cmの間に存在した.ルゴール染色による食道胃粘膜接合部は上切歯列より20cmの中部食道であった.生検では最肛側の潰瘍辺縁より食道胃粘膜接合部肛側まで円柱上皮が採取され,上切歯列より33cmの最肛側潰瘍周囲および25cmの食道粘膜には扁平上皮を混じていた.以上よりBarrett潰瘍と診断し,H2受容体桔抗剤を中心とした抗潰瘍療法を開始した.約40日後,4個の潰瘍は瘢痕化した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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