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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻4号

1990年04月発行

文献概要

今月の主題 Barrett食道 主題症例

Barrett食道の1例

著者: 成澤林太郎1 植木淳一1 塚田芳久1 上村朝輝1 朝倉均1 本間照2 渡辺英伸2 小浜寿彦3

所属機関: 1新潟大学医学部第3内科 2新潟大学医学部第1病理 3亀田第1病院内科

ページ範囲:P.447 - P.452

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要旨 患者は77歳,男性.吐血を主訴に入院.初回内視鏡で滑脱型の食道裂孔ヘルニアを伴う食道炎および食道潰瘍を認めたが,病変部は易出血性で詳細な観察はできなかった.H2受容体拮抗剤と粘膜防御因子増強剤による治療により自覚症状は消失した.治療開始後3週の内視鏡では下部食道に胃内から連続した血管透見性の悪い赤色調の粘膜を全周性に認め,その最も口側端は切歯列から29cmの部位に存在した.ルゴール染色により赤色調の粘膜は不染帯となった.食道裂孔は切歯列から38cm,下部食道括約筋部があると考えられる部位は切歯列から35cmであった.ルゴール染色で不染帯を示した下部食道粘膜からの生検では胃底腺は存在せず,間質に炎症細胞浸潤を伴った幼若な円柱上皮が証明され,食道胃粘膜境界の口側からの生検では食道炎が認められた.以上の所見から,滑脱型の食道裂孔ヘルニアと逆流性食道炎を伴った後天性のBarrett食道と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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