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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻4号

1990年04月発行

文献概要

症例

80個以上の病巣を有する多発胃癌の1例

著者: 尾関豊12 日野晃紹1 林勝知1 鬼束惇義1 後藤裕夫3 鈴木雅雄3 土井偉誉3 下川邦泰4 広瀬一1

所属機関: 1岐阜大学医学部第1外科 2現 国立東静病院外科 3岐阜大学医学部放射線科 4岐阜大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.467 - P.472

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要旨 患者は70歳,女性.胆石症の術前胃X線検査で胃の異常を指摘された.胃X線検査では,噴門および穹窿部から前庭部にかけて1~2cm大の浅い不整陥凹が多数散在していた.胃内視鏡検査でも同様に,胃のほぼ全域に辺縁が軽度隆起した1~2cm大の白色調の不整形陥凹が多数散在していた.生検結果はGroup Ⅴで,印環細胞癌であった.胃全摘出術を施行した.切除胃の詳細な肉眼的および組織学的検索により,互いに連続性のない80個以上の病巣を有する多発胃癌と診断した.組織型は印環細胞癌,深達度はpmが3病巣,smが10病巣,その他はすべてmで,p2H0n2(+)であった.10個以上の病巣を有する多発胃癌は極めてまれであるので報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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