文献詳細
今月の主題 炎症性腸疾患の鑑別診断(1)―小腸・回盲部病変を中心に
序説
文献概要
Ⅰ.小 腸
臨床症状を訴える患者が来院し,必要と判断したものを検査する,と教えられてきた.これを忠実に守るがゆえに,よくよくでないと検査をしない人もいる.ところが,一方では,しゃにむに検査をする立場もある.無症状のものにも消化管癌をみることから,集検,また,検診が,広く行われる時代である.検査の適応を決める臨床感覚が,なくなったとは言わないが,薄れてきているのも事実である.全くの無症状ではないにしろ,胃の検査のあと,引き続いて小腸をみたら病変を見つけた,というのも臨床では常識となっている.一方,大腸に病変をみたら,胃と小腸もみろ,というのも全身疾患,系統的疾患では,それなりに決定的な診断効果を上げているからである.検査の範囲を拡大すれば,それだけ診断効果を上げるのである.
ところが,胃ではルーチンどおりの撮り方が行われているのに,小腸・回盲部の検査は,やればよい,で済まされることが多く,したがって読影に耐えない写真を見ることにもなっている.本誌は,最新の臨床的取り扱いを紹介し,診断と診断法に的確な指針を与えるものである.
臨床症状を訴える患者が来院し,必要と判断したものを検査する,と教えられてきた.これを忠実に守るがゆえに,よくよくでないと検査をしない人もいる.ところが,一方では,しゃにむに検査をする立場もある.無症状のものにも消化管癌をみることから,集検,また,検診が,広く行われる時代である.検査の適応を決める臨床感覚が,なくなったとは言わないが,薄れてきているのも事実である.全くの無症状ではないにしろ,胃の検査のあと,引き続いて小腸をみたら病変を見つけた,というのも臨床では常識となっている.一方,大腸に病変をみたら,胃と小腸もみろ,というのも全身疾患,系統的疾患では,それなりに決定的な診断効果を上げているからである.検査の範囲を拡大すれば,それだけ診断効果を上げるのである.
ところが,胃ではルーチンどおりの撮り方が行われているのに,小腸・回盲部の検査は,やればよい,で済まされることが多く,したがって読影に耐えない写真を見ることにもなっている.本誌は,最新の臨床的取り扱いを紹介し,診断と診断法に的確な指針を与えるものである.
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