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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻5号

1990年05月発行

文献概要

今月の主題 炎症性腸疾患の鑑別診断(1)―小腸・回盲部病変を中心に 主題

虚血性小腸狭窄(狭窄型虚血性小腸炎)の臨床病理学的検索

著者: 岩下明徳1 八尾隆史2 飯田三雄3 八尾恒良4 渕上忠彦5 戸田智博6

所属機関: 1福岡大学筑紫病院病理 2九州大学医学部第2病理 3九州大学医学部第2内科 4福岡大学筑紫病院内科・消化器科 5松山赤十字病院消化器センター 6防府胃腸病院

ページ範囲:P.557 - P.569

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要旨 虚血性小腸狭窄18症例18手術材料について,臨床病理学的立場から検討した.18例は原因により特発性13例と腹部外傷5例に分けられたが,両者の肉眼像と組織像はほぼ同じであった.本病変の肉眼像の特徴は,①求心性管状狭窄,②境界明瞭な全周性区域性潰瘍,③腸管壁の強い肥厚であり,主な組織所見は,①潰瘍の深さは種々で,56%がUl-Ⅲ以上,②潰瘍底の血管に富む肉芽組織,③粘膜下層を主とする高度の線維筋症と線維化,④比較的強い慢性炎症細胞浸潤,⑤種々の程度の担鉄細胞の出現であった.成因に関する所見として,15例に小中型動脈内膜の軽度~中等度肥厚が,4例に器質化血栓が,4例にリンパ管壁の著明な肥厚がみられた.以上の結果を基に,本病変の病理形態の特徴,成因,鑑別疾患などについて簡単に考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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