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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻6号

1990年06月発行

今月の主題 炎症性腸疾患の鑑別診断(2)―大腸病変を中心に

序説

大腸炎の鑑別診断について

著者: 長廻紘1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター

ページ範囲:P.635 - P.636

文献概要

 注腸二重造影法,コロノスコピーが実用化した60年代後半から70年代にかけては,大腸では腫瘍性病変が少なく,かつ形態的に単純(ポリープと2型癌)であったせいで,診断の主力は当時すでに多かった炎症性疾患に向けられた.

 コロノスコピーは大腸疾患の決して多いとは言えない日本で完成(少なくとも商業ベースでは)するという,ある意味では不幸な出生であった.大腸疾患診断の隘路のbreak throughをなすものとして必然性をもって生まれたのではなく,技術があるからできたという面が否定できない.腫瘍に関しては歴史の古い直腸鏡による仕事が既にたくさんあり,それらの業績を十分利用できた.大腸の炎症性疾患(以下大腸炎)については,腸結核,Crohn病のように直腸に異常のないものが少なくないこともあって,その診断については精力的に行われた.文献をひもとけば1970年代には大腸炎の診断に関する発表が多いことがよくわかる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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