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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻6号

1990年06月発行

文献概要

今月の主題 炎症性腸疾患の鑑別診断(2)―大腸病変を中心に 主題

炎症性腸疾患の鑑別診断―内視鏡診断の立場から

著者: 樋渡信夫1 山崎日出雄1 熊谷裕司1 佐々木高志1 豊田隆謙1

所属機関: 1東北大学医学部第3内科

ページ範囲:P.649 - P.658

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要旨 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎,Crohn病)の診断は,臨床,X線・内視鏡所見,組織所見の特徴(積極診断)と,類縁疾患の除外(除外診断)により,総合的になされる.この過程で内視鏡検査は,潰瘍の形態,周辺粘膜の状態や軽度の炎症をも診断でき,病変の拡がりや分布も正確に把握できるので,重要な位置を占めている.潰瘍性大腸炎の典型例では,直腸から連続性,びまん性に粘膜の炎症を認め,Crohn病では区域性,非連続性に敷石像,縦走潰瘍と種々の形態の潰瘍を認める.これらの所見は,自然緩解,治療,経過などにより非典型的所見へと変化することがよくある.鑑別困難例に対しては,必ず糞便の細菌・寄生虫学的検索,小腸造影,内視鏡的に一見正常にみえる直腸,および主病変間からの生検を必ず施行する.確診のついた非典型例の再検討と,症例報告などの見聞により,これら疾患の内視鏡所見のバラエティーを理解することが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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