icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻6号

1990年06月発行

今月の主題 炎症性腸疾患の鑑別診断(2)―大腸病変を中心に

主題症例

縦走潰瘍を呈し,Crohn病との鑑別を要した潰瘍性大腸炎の1例

著者: 小林清典1 勝又伴栄1 三富弘之1 鈴木裕1 山本佳正1 五十嵐正広1 西元寺克禮1 瀬川謙一2 中英男2

所属機関: 1北里大学東病院消化器内科 2北里大学東病院病理

ページ範囲:P.683 - P.689

文献概要

要旨 患者は38歳女性.1975年7月より下腹部痛および泥状下痢が出現し本院受診.肝彎曲部から上行結腸にかけての区域性腸炎の診断で抗結核剤投与を行った.1987年6月より,下痢および発熱が出現し再度入院.脾彎曲部を中心とした縦走潰瘍を認めたことより,大腸Crohn病を疑い,栄養療法を施行したところ病状の改善をみた.1988年6月粘血便の再燃を認めたが,栄養療法の強化により改善した.しかし1989年8月にも再燃し,第3回目の入院.大腸鏡でS状結腸を中心に,膿性粘液の分泌による小白斑が付着する浮腫状の粘膜面を認め,改めて潰瘍性大腸炎と診断した.salicylazosulfapyridineおよびprednisoloneの投与を開始したところ緩解に導入され,以後再燃は認めていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら