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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻6号

1990年06月発行

今月の主題 炎症性腸疾患の鑑別診断(2)―大腸病変を中心に

主題症例

非定型的潰瘍性大腸炎との鑑別が困難であった大腸Crohn病の1例

著者: 平田一郎1 島本史夫1 斎藤治1 松本恒司1 林勝吉1 田中雅也1 高田興1 三好博文1 岩越一彦2 大柴三郎1

所属機関: 1大阪医科大学第2内科 2神戸労災病院消化器内科

ページ範囲:P.707 - P.712

文献概要

要旨 患者は22歳の男性で,主訴は粘血便と発熱である.初回発症時の注腸・内視鏡所見では,S状~横行結腸にかけて連続性・びまん性にhaustraは消失し,粘膜面は粗ぞうでびらんおよび小潰瘍が散在していた.直腸は肉眼的にほぼ正常であった,この時点で非定型的な潰瘍性大腸炎(萎縮性大腸炎型)と診断され,サラゾピリン,ステロイド投与が行われた.その後3回にわたり再燃を繰り返し,次第に内科的治療に反応しなくなったので初発より約3年後に手術が施行された.本症例は経過をみるうちに縦走潰瘍,腸管の非対称性変形や狭小化が顕著となり,手術標本肉眼・組織所見でも大腸Crohn病に合致する像を呈した.初発から全経過を通じて本例の直腸はほぼ正常のままであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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