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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻6号

1990年06月発行

文献概要

今月の主題 炎症性腸疾患の鑑別診断(2)―大腸病変を中心に 主題症例

過敏性血管炎による腸病変の1例

著者: 吉田行哉1 橋本光代1 早川和雄1 福地創太郎1 丸義朗23 安達実樹45 武藤徹一郎6

所属機関: 1虎の門病院消化器科 2虎の門病院消化器科 3現東京大学医学部第3内科 4虎の門病院病理学科 5現帝京大学医学部第2外科 6東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.723 - P.730

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要旨 患者は27歳の男性.発熱,下痢,関節痛,皮疹を主訴に入院.左側結腸にdiscrete ulcerの多発,右側結腸にアフタ様潰瘍,回腸末端部の腸間膜付着側を中心に裂溝潰瘍を伴った縦走潰瘍を認め,Crohn病が疑われた.しかし,ステロイド投与により上記所見が4週で治癒したこと,これまで4回の再発・緩解を繰り返しているにもかかわらず腸管の変形が軽度であること,腸症状のない再発が認められること,組織学的に肉芽腫が認められないこと,がCrohn病としては非典型的であった.皮疹からの生検で細動脈に壊死性血管炎の所見を認めたことを糸口にして,臨床経過を総合し,本例を過敏性血管炎による腸病変の1例と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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