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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻6号

1990年06月発行

文献概要

症例

結核との鑑別が問題となった回腸Crohn病の1例

著者: 折居正之1 安宅龍一郎1 斉藤裕1 中村義朗1 関野瓦1 角田健1 佐藤邦夫1 佐藤俊一1 狩野敦2 吉田博3 菊池信太郎3 斉藤和好3 菅井有4 笹生俊一4 高山和夫4

所属機関: 1岩手医科大学第1内科 2岩手医科大学高次救急センター 3岩手医科大学第1外科 4岩手医科大学臨床病理

ページ範囲:P.739 - P.746

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要旨 患者は43歳,男性.10年来の腹痛の精査のため小腸X線透視を行ったところ,回腸に2か所の輪状狭窄と1か所の偏側性変形がみられた.狭窄の増強のため手術を行ったが,術中内視鏡所見では2か所の短い縦走潰瘍と1か所の不整粘膜像がみられた.摘出標本肉眼所見では,腸間膜に沿う卵円形潰瘍2か所,輪状潰瘍1か所がみられ,各々の口側

に縦走潰瘍がみられた.病理組織学的には,多数の非癒合性非乾酪化性肉芽腫,全層性炎,裂溝などの所見がみられたが結核菌や粘膜下層の線維化はみられなかった.術前に縦走潰瘍が描出できず,また輪状潰瘍がみられたことなどから結核とCrohn病との鑑別が難しかった症例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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