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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻7号

1990年07月発行

文献概要

今月の主題 小さな表面型(Ⅱ型)大腸上皮性腫瘍 主題

小さな表面型大腸上皮性腫瘍―見つけ方と処置

著者: 安藤正夫1 望月福治1 長南明道1 長野正裕1 矢野明1 松永厚生1 池田卓1 豊原時秋1 村上太平1

所属機関: 1仙台市医療センター消化器内科

ページ範囲:P.771 - P.778

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要旨 大腸の表面型腫瘍において,より平坦に近い病変が多数発見されている現状を踏まえ,自験例を基に内視鏡分類の私案を述べた.小さな表面型腫瘍の診断には注腸造影検査が有用であり,病変を意識した撮影および読影が必要と思われた.内視鏡診断に際しⅡaではわずかなハレーションや病変辺縁のラインが,低い隆起を認識するうえで重要であり,色素散布は全例に効果的であった.また,癌と腺腫の鑑別として易出血性の所見は癌のみにみられた.平坦・陥凹型病変は発赤で発見されることが多く,色素散布のコントラスト効果はあまり期待できず,逆に不明瞭となる場合も少なくなかった.処置としては陥凹性病変の一部を含め現在ストリップバイオプシーを多用しているが,今後病理学的検索に基づいた内視鏡的治療の基準を確立することが大切であると考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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