今月の主題 小さな表面型(Ⅱ型)大腸上皮性腫瘍
主題
表面型(Ⅱ型)大腸上皮性腫瘍―10mm以上の平盤状隆起病変について
著者:
北川晋二1
平田展章1
本岡慎1
川元健二1
増田康治1
中村賢二郎2
植山敏彦2
村中光3
古賀充4
田中誠5
下田悠一郎6
野尻五千穂7
渡辺秀幸8
所属機関:
1九州大学医学部放射線科
2九州大学医学部第2病理
3国立福岡中央病院放射線科
4国立病院九州がんセンター放射線科
5九州厚生年金病院放射線科
6佐賀県立病院好生館放射線科
7佐賀医科大学放射線科
8産業医科大学放射線科
ページ範囲:P.779 - P.788
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要旨 10mm以上の平盤状隆起を呈した64例70病変について検討し,以下の結果を得た.性別では男性41例(64%),女性23例(36%),年齢は41から88歳までで,平均年齢は64.4歳であった.発見頻度は注腸X線検査の0.75%であった.肉眼形態(長谷川らの分類に準じた)は,ポリープ集簇型36病変(51%),中心くびれ型20病変(29%),中心陥凹型8病変(11%),平坦型6病変(9%)であった.組織型は,腺腫42病変(60%),癌21病変(30%),化生性ポリープなど7病変(10%)であった.中心陥凹型に癌が多く(75%),平坦型はすべて良性であったが,他の2型は良・悪性の鑑別は困難であった.X線検査で発見されたものは46病変(67%)で,X線検査の描出能は84%であった.内視鏡所見では発赤を16病変(27%)に認めたが,良・悪性との関連はなかった.処置は手術37病変(53%),ポリペクトミー13病変(18%),生検(経過観察)20病変(29%)であった.