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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻7号

1990年07月発行

文献概要

今月の主題 小さな表面型(Ⅱ型)大腸上皮性腫瘍 主題

小さな表面型(Ⅱ型)大腸上皮性腫瘍の見つけ方と処置―特に微小病変(5mm以下)の重要性

著者: 岡本平次1 佐々木哲二2

所属機関: 1東海大学東京病院内視鏡室 2東海大学東京病院外科

ページ範囲:P.813 - P.818

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要旨 われわれは診断,治療の両面の立場から5mm以下の大腸病変を“微小”病変と定義して,これら“微小”上皮性腫瘍の実態,見つけ方,処置および形態分類について検討した.内視鏡的に切除された6,000個中微小ポリープは3,435個であった.腫瘍性ポリープは2,229個,64.9%を占め,微小病変でも腫瘍性ポリープは意外な頻度を占めていることが判明した.なかでも癌症例は36個,0.105%存在したのが注目される.微小病変を発見するためには丹念に大腸粘膜を観察し,わずかな色調差(発赤,褪色,出血,橙色,光沢など)や凹凸が病変発見の手掛かりとなった.また簡便な分類で臨床に役立つ微小病変の内視鏡的分類を試みた,具体的には,①くびれがあり,隆起の目立つもの(I型),②隆起性病変ではあるが,隆起は目立たないもの(扁平隆起性病変も含む)(Ⅱ型),③平坦な病変でわずかな色調差,などが発見のきっかけになったもの(Ⅲ型),④陥凹性病変(IV型),の4型に分類し,色調,白苔,凹凸,陥凹などの表面性状の特徴ある内視鏡所見を付記するものである.内視鏡検査は対象とする病変が小さくなればなるほどその真価を発揮する.特に粘膜面の色調差は内視鏡でしか認知されない所見であり,数多くの大腸“微小”癌が発見され,今後癌発生解明の糸口となることが期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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