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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻7号

1990年07月発行

文献概要

肉眼形態の判定基準

小さな表面型(Ⅱ型)大腸上皮性腫瘍―肉眼形態の判定基準―私はこう考える

著者: 大原毅1 倉本秋1

所属機関: 1東京大学医学部第3外科

ページ範囲:P.868 - P.869

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 大腸上皮性腫瘍には良性の腺腫と悪性の癌とがある.ごく最近まで大腸の上皮性腫瘍は,はっきりとした隆起すなわちポリープ型のみであると理解されていた.最近の詳細な検討結果と大腸ファイバースコープの発達・普及とによって,大腸の上皮性腫瘍の中にも,わずかに隆起しているもの,隆起が認められず,むしろ平坦なもの,陥凹しているものが発見される機会が多くなってきた.1979年から隆起型をとらない大腸上皮性腫瘍の存在を主張し続け1),本誌「胃と腸」においてアウトサイダーであり続けた私たちにこの原稿の依頼があったことに対して,時代の変遷を感じ特に感慨深いものがある.

 1.私たちの肉眼形態の判定基準

 基本的には,病変のあるがままの姿を素直な目で見て分類することにしている.腺腫では有茎性,亜有茎性,無茎性,表面型と分類する.表面型の癌の場合は,早期胃癌における表面型(Ⅱ型)の定義に従っている.すなわち粘膜面からわずかに隆起しているものはⅡa型,全く隆起しておらず平坦なものはⅡb型,わずかに陥凹しているものはⅡc型としている.問題となるのは大腸粘膜の特性として髪の上に乗っている病変が多いので,陥凹型でもⅡa型に見えることがあることと,複合型の取り方である.後者に関してはⅡa型なのか,Ⅱa+Ⅱc型なのか,それとも全くのⅡc型なのかという判定が難しいことが多いことによる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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