文献詳細
文献概要
肉眼形態の判定基準
小さな表面型(Ⅱ型)大腸上皮性腫瘍―肉眼形態の判定基準―私はこう考える
著者: 武藤徹一郎1
所属機関: 1東京大学医学部第1外科
ページ範囲:P.870 - P.871
文献購入ページに移動 特集“陥凹型早期大腸癌”の発刊(1987)から,わずか3年しか経たないのに,表面型(Ⅱ型)病変が取り上げられることになった.大腸の表面型(Ⅱa,Ⅱb,Ⅱc)病変は癌,腺腫を含めて最近のトピックであり,この3年間の進歩も明らかにされると思われるので,大いに楽しみにしている.しかしながら,表面型病変の分類について,この小文を論ずるのは,いささか気が重く筆が進まない.なぜなら,筆者自身にその分類についての確たるイメージが出来上がっていないからである.分類について云々するに足る症例を経験していないし,また,全国レベルでみても,まだそれに足るだけの症例が集積されているとも,思えない.
つい最近の日本内視鏡学会での陥凹型大腸早期癌に関するパネルを聴いても,やはりその感は拭えない.1987年に提起した問題点は決して解決しているとは思われないので,書くのは止めようかと幾度も思ったが,この問題に関する批判的な見方も,全く無意味ではあるまいと思い直して筆を執ることにした.
つい最近の日本内視鏡学会での陥凹型大腸早期癌に関するパネルを聴いても,やはりその感は拭えない.1987年に提起した問題点は決して解決しているとは思われないので,書くのは止めようかと幾度も思ったが,この問題に関する批判的な見方も,全く無意味ではあるまいと思い直して筆を執ることにした.
掲載誌情報