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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻7号

1990年07月発行

症例

大腸の極微小陥凹型腫瘍の1例

著者: 工藤進英1 三浦宏二1 高野征雄1 坂内均2 桧森昌門2 斉藤純夫2

所属機関: 1秋田赤十字病院外科 2秋田赤十字病院内科

ページ範囲:P.876 - P.881

文献概要

要旨 陥凹型早期大腸癌の報告は最近多く認められるが,陥凹型腺腫の報告は現在までほとんどない.われわれは1mmの大きさの軽度陥凹の腫瘍性病変を発見,治療したので報告する.患者は48歳男性.人間ドックのS状結腸内視鏡で小さな淡い発赤で発見され,質的観察により境界不整な陥凹性病変として認識された.辺縁の正常粘膜の軽度隆起を伴っていた.strip biopsyで切除し実体顕微鏡により病変を確認し連続切片を作製,組織学的検索を行った結果,1切片でわずか10個程度の異型腺管であり,間質にリンパ球浸潤を伴っていた.形態的にⅡc型早期癌に類似しており,このような境界不整な陥凹性病変が大腸癌の発生,発育進展においてどのような役割を果たすのか,今後の症例の集積が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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