胃と腸25巻8号

1990年08月発行

今月の症例

典型的な未分化型早期胃癌（Ⅱc型）の1例

著者： 成澤林太郎¹ 朝倉均¹ 田中乙雄² 岩淵三哉³ 渡辺英伸³

所属機関： ¹新潟大学第3内科 ²新潟大学第1外科 ³新潟大学第1病理

ページ範囲：P.902 - P.904

〔患者〕47歳，女性．無症状であったが，胃集団検診で異常を指摘されたため当科外来を受診した．

〔胃X線所見〕背臥位二重造影では体下部後壁大彎寄りに皺襞集中を伴う病変を認めた（Fig. 1）．同部のスポット撮影では病変は辺縁不整かつ境界明瞭な陥凹性病変で，バリウムの量を変えると陥凹は浅く，陥凹内の皺襞集中部付近に数個の島状の小隆起を認めた（Fig. 2，3）．また，病変部の胃壁の伸展は良好であった．