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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻8号

1990年08月発行

今月の主題 臨床経過からみた胃生検の問題点

主題

胃隆起性病変(GroupⅢ病変)の経過

著者: 渕上忠彦1 岩下明徳2

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2松山赤十字病院病理(現 福岡大学筑紫病院病理)

ページ範囲:P.911 - P.926

文献概要

要旨 胃腺腫の予後を知る目的で,初回の胃生検でGroupⅢと診断され3年以上の経過を有する隆起性病変49例52病変の追跡調査を行った.結果は,16病変が増大し(30%),36病変が大きさ不変であった.増大例の最終診断は癌6病変,腺腫内癌2病変,腺腫8病変であった.増大群と不変群は初回のX線像,内視鏡像,生検像では鑑別不可能で,また,増大群の中でも最終診断癌と組織異型度不変例(腺腫)との鑑別は不可能であり,両群とも同一疾患(腺腫)として取り扱わざるを得なかった.更に,7例(14%)に他部位に胃癌の合併をみた,腺腫は高率に増大し癌化し,腺腫を有する胃は高率に胃癌の発生母地となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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