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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻8号

1990年08月発行

文献概要

初心者講座 胃X線検査のポイント―私の検査法

8.二重造影像の撮り方(3)―小彎と大彎

著者: 西元寺克禮1

所属機関: 1北里大学内科

ページ範囲:P.1004 - P.1005

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 1.小彎側病変の撮り方

 1)胃体部

 噴門部より胃体下部までの小彎側に病変が存在するとき,病変の存在は充満像で示唆されることが多い.背臥位二重造影像では病変の側面像が描出され,正面像を得るためには第2斜位像が中心となる.噴門部ならびに胃体上部小彎側は半立位第2斜位(High-Schatzki体位)が最もよい.台を挙上する角度は30~45°,体部もわずかな第2斜位からほぼ真横まで透視像により,噴門部がほぼ正面に見えるよう調節する.この際,背臥位でいったん穹窿部に溜めたバリウムを右側臥位とすることで流し,体上部小彎に塗りつけ,その後,徐々に背臥位方向へ戻すことが重要である.空気量は原則として中等量であるが,少量のときは台をより挙上させる,呼吸を利用するなどの工夫が必要となる.

 Fig. 1は体上部小彎のⅡc+Ⅲ,深達度smの半立位第2斜位像.不整形の陥凹と皺襞集中,陥凹内インゼルの存在が明瞭である.病変の小轡側への拡がりも胃小区様構造の消失範囲より同定が可能である.この体位の撮影では脊椎との重なりを避けることも重要である.他の体位では半立位,背臥位が有用なこともあるが限界がある.すなわち,過緊張の胃は十分に伸展させ難く,多量の空気が必要であり立位第1斜位などと同じく補助的な診断法と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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