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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻9号

1990年09月発行

文献概要

今月の主題 早期食道癌を問う 主題

内視鏡による食道m癌・sm癌の質的診断と鑑別診断

著者: 幕内博康12 三富利夫1 田島知郎1 町村貴郎1 杉原隆1 佐々木哲二1 大森泰2 菊永裕行2 熊谷義也3

所属機関: 1東海大学医学部外科 2慶応がんセンター 3三越診療所

ページ範囲:P.1051 - P.1058

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要旨 直視の細径ファイバースコープやヨード染色を中心とする色素内視鏡の発達により早期表在食道癌の発見例が急増している.われわれは97例の表在癌を扱っており,これは総症例の19.4%を占めている.これらの分析からm癌は脈管侵襲やリンパ節転移がほとんどなく,5年生存率も100%であったが,sm癌ではリンパ節転移33%,5年生存率52.4%であった.内視鏡所見ではm癌はⅡb,2mmに満たないⅡa,特に白色調のもの,陥凹面が平滑な顆粒状を呈する浅いⅡcであり,sm癌は0-1,0-Ⅲのほかに,2mm以上の隆起性病変,陥凹面が凹凸不整で白苔を部分的にかぶるⅡcである.深達度診断の正診率は約82%で,粘膜筋板を圧排するm癌,顕微鏡的なsm癌の診断には限界がある.質的診断,予後推定診断についても述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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