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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻9号

1990年09月発行

文献概要

今月の主題 早期食道癌を問う 主題

食道m,sm癌の質的診断ならびに鑑別診断―内視鏡の立場から

著者: 吉田操1 室井正彦1 門馬久美子2 榊信廣2

所属機関: 1東京都立駒込病院外科 2東京都立駒込病院内科

ページ範囲:P.1059 - P.1066

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要旨 食道癌の新病型分類を用いて表在癌40例,55病巣の検討を行った.

ep,mm癌(29病巣)はすべて0-Ⅱ型に含まれた.0-Ⅱ型をep,mm癌診断の目安とすると,正診率は93.5%(29/31)であった.0-Ⅱ型以外の表在型癌をsm癌とすると,その正診率は92.3%(24/26)であった.sm癌のリンパ節転移頻度は48%であったが,ep,mm癌には転移は認めていない.0-Ⅱ型以外の表在癌は深達度smと考えられる.新病型分類はep,mm癌の特徴を反映しており,実用的であった.0-Ⅱ型病巣でリンパ節転移の可能性があれば外科治療を行うが,この可能性がない場合は内視鏡による局所治療を採用して,ともに良好な成績を示した.発見の時点で治癒を確信できることから,今後の食道癌早期発見の目標は0-Ⅱ型病巣と考えられた.以上の結果から食道早期癌の定義を変更し内視鏡診断では,0-Ⅱ型病変とすることを提案した.また,これに伴う新しい病型分類を提案し,その中で表層拡大型,早期癌類似進行型,進行癌類似早期癌の必要性を述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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