icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻9号

1990年09月発行

文献概要

症例

術前に診断しえた微小胃カルチノイドの1例

著者: 宮本伸二12 田辺雋一1 小深田誠一1 半沢一邦1 藤吉康明3 森松稔3 谷村晃3

所属機関: 1三愛病院外科(大分医科大学第2外科) 2大分医科大学第2外科 3久留米大学医学部第2病理

ページ範囲:P.1113 - P.1117

文献購入ページに移動
要旨 患者は33歳の女性で,胃部膨満感で来院,内視鏡検査で体上部前壁に急性潰瘍,体中部大彎に径4mmの発赤を伴う小隆起性病変を認め,隆起部からの生検で胃カルチノイドと診断された.切除胃において粘膜下層に充実胞巣状,一部分索状に配列する腫瘍が認められた.胃底腺領域にendocrine cell micronest(ECM)の多発がみられたが,カルチノイドは単発であった.術前,血中ガストリンとグルカゴンが高値を示したが,PAP法による免疫組織化学的検索ではガストリン,グルカゴン,いずれも陰性であり,術後血中ガストリンは低値となったが血中グルカゴンは依然高値を示し,本腫瘍がこれらのホルモンを産生したとは考えにくかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?