文献詳細
文献概要
今月の主題 早期胃癌―診断の基本と方法 序説
早期胃癌診断の基礎
著者: 丸山雅一1
所属機関: 1(財)癌研究会付属病院内科
ページ範囲:P.11 - P.13
文献購入ページに移動 今日,早期胃癌の診断(X線・内視鏡)はあまりにも進歩したために,われわれは,既にこれを理論的に診断する段階を超えて,直観的な診断を下す段階に到達しているような気がする.すなわち,X線所見にしろ,内視鏡所見にしろ,ある異常所見に遭遇した場合,多くの場合には,自分の記憶の中で過去における同様な異常所見を検索・照合して,瞬時にして正確な診断を行うことが可能になっている.われわれの早期癌の経験がそれだけ豊富になったということの証であろう.
かつて,この道の先人たちは,手探りとも言える状況の中で早期胃癌の診断を模索し,それらしい1例を経験すれば,祈るような気持ちで病理の最終診断を待ったものだという.祈るような気持ちという中からは,牽強付会な診断の理論も出現したことがあったし,また,特殊例から一般論を導くといった危険な論理の構築が行われた時代もあったようだ.
かつて,この道の先人たちは,手探りとも言える状況の中で早期胃癌の診断を模索し,それらしい1例を経験すれば,祈るような気持ちで病理の最終診断を待ったものだという.祈るような気持ちという中からは,牽強付会な診断の理論も出現したことがあったし,また,特殊例から一般論を導くといった危険な論理の構築が行われた時代もあったようだ.
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