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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻1号

1991年01月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌―診断の基本と方法 主題 Ⅱ.方法論の展開―現状と将来の明暗

色素内視鏡診断―内視鏡的に根治可能な早期胃癌の診断を考慮して

著者: 井田和徳1 八木信明1 藤井貴章1 奥田順一1 加藤隆弘1 小島孝雄1 川瀬光八郎1

所属機関: 1朝日大学村上記念病院内科

ページ範囲:P.51 - P.60

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要旨 早期胃癌の診断におけるコントラスト法の有用性を評価するため,スクリーニングの段階からコントラスト法を積極的に行っているわれわれの早期胃癌症例について検討した.長径20mm以下の病変が49.7%と多く,早期胃癌に占めるm癌の割合が71.6%と高かった.内視鏡的に根治可能な病変も16.3~22.6%含まれていた.コントラスト法による診断の内訳は,早期癌確診とその疑いが86.4%と多く,見逃しは3.6%にすぎなかった.通常内視鏡に比べてコントラスト法は,特に小病変の診断において格段に優れていた.内視鏡治療が可能になった現在,胃癌の診断目標は,早期胃癌の中でも,確実にリンパ節転移がないと言えるm癌に置くべきである.これには胃内に観察難点を持たないスコープ(筆者らは斜視型)を用い,そしてコントラスト法を応用した定期的な内視鏡検査が有効である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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