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書評「胃癌の構造」第2版 フリーアクセス
著者: 谷口春生1
所属機関: 1大阪府立成人病センター
ページ範囲:P.70 - P.70
文献購入ページに移動従来から病理形態学者は組織切片上に見られる形態変化を平面的にのみ把握する嫌いがある.「胃癌の構造」初版に際しても評したことであるが,癌研病理の時代から中村博士は,外科的切除材料を余すところなく切り出して組織標本に作製する,という大変な努力を重ねて病変を立体的・三次元的に解析,更に微小胃癌から進行胃癌に至る時間の経過や,時間の経過に伴う胃底腺退縮などを踏まえた四次元的考察を加え,説得力に満ちた“胃癌の構造論”が展開されている.そこには中村教授の主張と哲学が脈々と流れ,第2版に受け継がれている.
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