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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻10号

1991年10月発行

今月の主題 胃癌の組織型分類とその臨床的意義

主題

胃癌の肉眼形態と組織型

著者: 滝澤登一郎1 岩崎善毅1 飯野弥1 加藤奨一1 前田義治1 川口研二1 深山正久1 船田信顕1 小池盛雄1

所属機関: 1東京都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.1135 - P.1148

文献概要

要旨 外科的に切除された988症例,1,219病変の胃癌を概観し,肉眼形態と組織型の問題について次のような観察結果を得た.①粘膜内癌の約76%は高分化単純型癌である.①早期癌が進行癌に成長する過程で単純型癌は高分化型と低分化型の頻度が逆転し,低分化型が優位となる.同時に複合型の頻度も増大する.①早期胃癌で肉眼型と組織型の関係を検討すると,潰瘍合併型に特徴がある.高分化型では潰瘍の合併に伴ってsm浸潤の確率が高くなるが低分化型癌では潰瘍合併とsm浸潤の相関性は認められない.①進行癌の肉眼型でBorr mann 5型の占める割合が高い.pm癌の半数以上が5型に分類される.以上の結果を考察し,粘膜内に高分化型癌として発生した胃癌も,進行癌へ成長する過程で,低分化型癌に変貌しうる可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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