icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻10号

1991年10月発行

文献概要

今月の主題 胃癌の組織型分類とその臨床的意義 主題

胃癌の組織型と予後

著者: 廣田映五1 落合淳志1 尾田恭1 板橋正幸1 中村圭子1 木下平2 笹子三津留2 丸山圭一2 平田克治2

所属機関: 1国立がんセンター研究所病理部 2国立がんセンター病院外科

ページ範囲:P.1149 - P.1158

文献購入ページに移動
要旨 胃癌の組織型と予後の関連を明らかにするため,6,288例を対象としてリンパ節転移率,累積生存率などを対比検討した.リンパ節転移率は組織型別にみると,深達度sm,pm,ssでpap,porでは比較的高い傾向を示した.術後生存率は,深達度smの5年で86.6%,10年で75.8%であったが,sigでは良好,papで77.3%,61.4%と最も不良の傾向を示した.pmでは5年で80.9%,10年で69.5%であり,sigでは良好であったが,papでは70.2%,61.2%と最も不良であった.ssでは5年で61.1%,10年で50.7%,であって,papでは47.2%,32.6%と最も不良であった.深達度s(+)以降に進行した群では5年で32.0%,10年で16.0%と不良で,組織型別で差がない.つまり,深達度別組織型予後は深達度mやs(+)以降群では差がないが,sm,pm,ssでは,深達度が浅いと印環細胞癌の予後は比較的良好,分化型管状腺癌は中間的,低分化腺癌は予後不良,更に乳頭状腺癌では予後不良であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?