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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻10号

1991年10月発行

文献概要

今月の主題 胃癌の組織型分類とその臨床的意義 主題

胃のリンパ球浸潤性髄様癌(medullary carcinoma with lymphoid stroma)の臨床病理学的検索

著者: 岩下明徳1 植山敏彦2 山田豊1 有田正秀13 恒吉正澄2 渡辺英伸4

所属機関: 1福岡大学筑紫病院病理 2九州大学医学部第2病理 3福岡大学筑紫病院消化器科 4新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.1159 - P.1166

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要旨 胃リンパ球浸潤性髄様癌の77例78病変について,臨床病理学的立場から検討した.本腫瘍の実質は基本的には低分化型腺癌であるが,78病変中67病変では少なくとも一部,特に粘膜に分化型腺癌を伴っていた.サルコイド様反応(類上皮細胞性肉芽腫)は13病変の腫瘍間質に観察された.本腫瘍の5年生存率(sm癌83%,pm癌100%,ss癌72%)は非リンパ球浸潤性髄様癌のそれ(sm癌59%,pm癌38%,ss癌27%)に比べ良好であり,進行癌では有意差がみられた.以上の結果から,本腫瘍は特徴ある組織像を呈し,予後良好の腫瘍であることが再確認された.そして,著明なリンパ球浸潤に加え類上皮細胞性肉芽腫の出現は本腫瘍の間質反応が宿主反応である可能性が高いことを示唆していると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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