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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻10号

1991年10月発行

文献概要

症例

成人にみられた上行結腸重複腸管の1例

著者: 石川博文1 金泉年郁1 松為泰介1 清水良祐1 中野博重1 稲次直樹2 桜井隆久2

所属機関: 1奈良県立医科大学第1外科 2健生会奈良大腸肛門病センター

ページ範囲:P.1181 - P.1185

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要旨 下痢を契機に発見された64歳男性の上行結腸消化管重複症について報告した.本症例の上行結腸後壁の半球形の腫瘤は注腸像および内視鏡像からは粘膜下腫瘍であり,CT像での内部の均一性から囊胞性病変が示唆され,上行結腸部分切除を含む回盲部切除術を施行した.摘出標本の割面像で腫瘤は大きさ5.5×4×3cm,内部にゼラチン様物質を含んだ壁の厚さ3mmの囊胞性病変であった.病理組織学的に囊胞性病変の内面は結腸型粘膜で覆われており,正常の管腔と固有筋層を共有していることから消化管重複症と診断された.本症例は回盲部付近に発生した囊腫状消化管重複症で,Kottra & Dottsの分類で典型的なtype Ⅰaに相当した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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