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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻10号

1991年10月発行

文献概要

症例

異物による胃粘膜下炎症性腫瘤の1例

著者: 藤沢和明1 岩下明徳3 平野豊2 遠城寺宗近1 丸岡彰4 奈須俊史1

所属機関: 1九州労災病院内科 2九州労災病院外科 3福岡大学筑紫病院病理 4九州大学医学部第3内科

ページ範囲:P.1187 - P.1192

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要旨 患者は78歳,女性.主訴は心窩部痛.胃内視鏡検査で,前庭部に急性胃粘膜病変を認め,同時に,傍幽門後壁と体下部小彎後壁に,小さな粘膜下腫瘍(SMT)様所見を認めた.経過観察中に,このSMT様隆起が急速に著明に増大し,表面にびらんと潰瘍を形成した.初診より約10か月後に,胃部分切除術を施行した.切除標本では,前庭部から胃角の後壁に,3×7cmの弾性硬の腫瘤を認めた.割面では,固有筋層から漿膜下組織にかけて膿瘍を認め,中央部に異物が存在した.この異物は,1本の爪楊枝と判明した.誤嚥した爪楊枝が胃壁内に侵入し,それが原因となり,炎症性腫瘤を形成した極めてまれな1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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