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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻10号

1991年10月発行

初心者講座 胃X線検査のポイント―私の精密検査法

9.隆起型早期癌

著者: 横山善文1

所属機関: 1名古屋市立大学第1内科

ページ範囲:P.1206 - P.1207

文献概要

 隆起型早期癌はⅠ型,Ⅱa型に分類され,早期癌の中での頻度はそれぞれ10%前後である.組織学的にそのほとんどは分化型腺癌で,腸上皮化生粘膜から発生することよりA領域(幽門前庭部)に好発するとされている.Ⅰ型とⅡa型の区別に関する規定は胃癌取扱い規約にもないが,一般的に肉眼的な高さが5mm以下のものがⅡa型として扱われている.また,大きい平盤状隆起はⅡa集簇型と呼ばれることがある.以上が隆起型早期癌に関する基本事項であるが,X線的に鑑別診断上問題になるのは,Ⅰ型早期癌では過形成性ポリープ,Ⅱa型では異型上皮であろう.大きさが2cmを越えると癌の頻度が高くなると言われるが,大きさだけではなく隆起の輪郭・高さ,表面の性状,陥凹・茎の有無がX線診断の指標になり,二重造影,圧迫法を駆使してこれらを描出するが,診断に苦慮する例も少なくない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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