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今月の主題 膠原病と腸病変 主題
慢性関節リウマチ患者にみられた腸の潰瘍性病変
著者: 小林広幸1 渕上忠彦1 西木茂2 加来一馬3 田代一博4 岩下明徳5
所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2愛媛医療生協愛媛生協病院内科 3福岡赤十字病院内科 4松山赤十字病院内科 5福岡大学筑紫病院病理
ページ範囲:P.1247 - P.1256
文献購入ページに移動いし小腸に潰瘍性病変を認めた5例について,その形態学的特徴,成因を検討した.病変部位は,4例は大腸で左半結腸に生じ,S状結腸には4例とも病変が認められた.残り1例は小腸で終末回腸であった.潰瘍の形態は縦走潰瘍とアフタ様ないし円形潰瘍の混在で,1例を除いて多発していた.更に,潰瘍の境界は鮮鋭で,介在粘膜には明らかな異常所見は認められなかった.RAの病期,病悩期間,活動性および治療薬と潰瘍発生には,明らかな因果関係は認められなかった.成因については,小腸病変の1例は組織学的に血管炎が証明された.大腸病変の4例中1例は虚血性大腸炎に一致する組織像を呈し,残り3例では確診は得られなかったが,臨床像は虚血性の変化と多くの共通点を有していた.潰瘍の成因としては,RAに起因した血管炎などによる慢性的な末梢血管の循環不全の関与が示唆された.
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