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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻11号

1991年11月発行

文献概要

今月の主題 膠原病と腸病変 主題

結節性動脈周囲炎における腸潰瘍の病理学的特徴

著者: 黒岩重和1 八尾隆史2 岩下明徳3

所属機関: 1浜の町病院病理 2九州大学医学部第2病理 3福岡大学筑紫病院病理

ページ範囲:P.1257 - P.1265

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要旨 外科切除あるいは剖検された7例の結節性動脈周囲炎(PN)の腸を病理学的に検索した結果,PNにおける小腸潰瘍の肉眼的特徴は以下のごとくであった.①多発性で,潰瘍間に軽度浮腫状またはほぼ正常の粘膜を残す,②腸間膜付着対側に好発する,③形は主に不整形,大きなものでは腸間膜側に拡がる傾向があり,亜輪状,輪状となるが,概して腸間膜付着対側で幅が広い,④腸管長軸方向の長さの長いものは少なくほぼ3cm以下である,⑤深さは浅い(Ul-Ⅰ~Ⅱ).以上の結果に加え,潰瘍以外の腸病変として動脈瘤からなる粘膜下腫瘍様小結節と血腫を指摘した.これらを基に,組織学的所見および文献的知見を加味し,また,PNにおける腸潰瘍の肉眼的特徴,成因,鑑別診断について考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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