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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻11号

1991年11月発行

文献概要

今月の主題 膠原病と腸病変 主題症例

SLE治療中に直腸潰瘍穿孔を来した1例

著者: 五十嵐正広1 勝又伴栄1 小林清典1 芦原毅1 西元寺克禮1 高橋俊毅2 三富弘之3 中英男3 岡田純4

所属機関: 1北里大学医学部附属東病院消化器内科 2北里大学医学部附属東病院外科 3北里大学医学部附属東病院病理 4北里大学医学部附属病院内科

ページ範囲:P.1285 - P.1290

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要旨 患者は31歳,女性.11年前よりSLEの診断で緩解・増悪を繰り返し,ステロイド剤で長期治療を受けていたが排便困難,下腹痛が出現,内視鏡検査で直腸に多発潰瘍を認めた.潰瘍は境界明瞭で下掘れ傾向の著明な全周性潰瘍とほぼ円形の潰瘍で,中心静脈栄養で経過観察していたが潰瘍の縮小・治癒傾向が乏しく,潰瘍確認24日後穿孔を来した.切除標本では3.5×7.2cmの全周性潰瘍(穿孔部0.4×0.2cm)と1.4×2.0cmの多発潰瘍を認めた.組織学的には潰瘍は下掘れする打ち抜き状の潰瘍で,潰瘍底部や漿膜下の小動脈に高度の動脈硬化および血栓形成(静脈にも高度)と炎症細胞浸潤を認め,動脈硬化とSLEの血管病変による循環障害から潰瘍および穿孔を来したと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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