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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻11号

1991年11月発行

文献概要

症例

multiple lymphomatous polyposis様の消化管浸潤を呈した成人T細胞白血病の1例

著者: 青崎真一郎1 山内耕1 市来秀一1 安田真理1 中間美保1 唐仁原寛1 丸田修士1 西俣寛人1 有馬暉勝1 蓮井和久2

所属機関: 1鹿児島大学医学部第2内科 2鹿児島大学医学部第2病理

ページ範囲:P.1297 - P.1303

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要旨 患者は55歳,男性.難治性下痢と腹部膨満感の精査加療目的で入院.左鎖骨上窩リンパ節腫大と腹部USおよびCTで腹腔内リンパ節腫大と腹水を認めた.血液検査では白血球数8,400/mm3で分画には異常を認めなかった.血清抗HTLV-1抗体陽性でLDHは高値であった.消化管X線検査では十二指腸から小腸および大腸にかけてポリープ様隆起が多発してみられた.十二指腸の隆起性病変の生検組織で非Hodgkin悪性リンパ腫(T細胞型)と診断された.以上から消化管浸潤を伴った成人T細胞白血病と診断し,化学療法を施行した.リンパ節腫大,ポリープ様隆起および腹水は消失し,症状も改善した.本例はmultiple lymphomatous polyposis様の消化管浸潤を呈した成人T細胞白血病の1例と考えられた.本例を含め成人T細胞白血病の消化管病変の特徴につき文献的考察を加え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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