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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻11号

1991年11月発行

文献概要

症例

腸重積症で発症し特異な病理像を示した空腸ポリープの1例

著者: 大川信彦1 山谷利幸1 中田正基1 田尻英一1 古田豊1 本岡龍彦1 中村守2 内藤伸三2 黒郷文雄2 里中和廣3 今中基雄3 藤盛孝博3 前田盛3

所属機関: 1市立加西病院内科 2市立加西病院外科 3神戸大学医学部第2病理

ページ範囲:P.1304 - P.1310

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要旨 先天性虹彩欠損症を有する16歳の女性.嘔気,嘔吐を主訴として入院.上部消化管透視,内視鏡検査,腹部CTなどにより口側空腸に腸重積症を見出した.手術の結果,重積部を中心として約20cmにわたり多発性のポリープを認めた.組織学的には粘膜上皮細胞の異型性は認められなかったが,粘膜下層の浮腫,粘膜上皮の絨毛の消失・癒合・乳頭状増生,表層上皮の過形成など多彩な所見が認められ,従来報告されている腸腫瘍のいずれとも合致しなかった.リンパ球を用いた染色体分析では異常を認めなかったが,近年,無虹彩症とWilms腫瘍の合併例が多いことが報告されており,ポリープの発生に遺伝子異常が関与している可能性も考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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